【お薬上手に飲めるかな?】

こんにちは! ユウ動物病院です。
今日は、お薬・投薬についてのお話です。
皆様の大切なご家族も、一度はお薬を処方されたり飲ませたりしたことがあると思います。
当院でも、それぞれの動物たちに合わせてお薬を処方していますが、上手に飲めない・お薬だけ吐き出すなど、日々お困りの方もいらっしゃいます。
お薬を上手に飲むには、それぞれの特性を活用することも大事!ちょっとした工夫で難しかった投薬が簡単になることも多くあります。
《お薬のカタチ》
①裸錠剤(素錠剤)
粉末のお薬をギュッと圧縮して固めたもの。動物用医薬品の中には、フレーバー錠と言って飲ませやすい風味がついているものもあり、好きな動物はパクッと食べてくれる優れもの!
②コーティング剤
裸錠剤を薄いフィルムや糖などでコーティングしてあるもの。薬の苦味やえぐみを感じずに飲めます。胃で溶けず腸で溶けるようにコーティングが工夫されているものもあります。
③カプセル
カプセルの中身は粉や顆粒。最近では液薬が入っているものも。カプセルを外し、中身を分包して処方されることが多くあります。
④散薬・顆粒薬
いわゆる粉薬。サラサラの粉状のもの・粒々とした粒子の大きなものなど。
⑤液薬
液状のお薬。飲ませやすい味がついているものもあり。
⑥チュアブル
フィラリアやノミダニのお薬に代表されるチュアブル剤は、肉などのフレーバーがついており、「食べる」お薬のひとつ。さまざまな種類があるお薬たち、どうやったら上手に飲めるでしょうか?
ポイントは、
・お薬の性質を知ること
・飲ませ方のポイントをおさえること です。
《お薬の性質》
まず、薬を処方してもらうときには、
・効果効能
・いつ飲むか(食前/食後/食間、朝/昼/夜/寝る前)を確認しましょう。
そして、お薬がどのような特徴を持っているのかを確認してください。
お薬の中には…
・甘い ・苦い ・硬い ・水に溶けやすい(溶けにくい)
・潰すと効果が落ちる(腸溶剤など) ・素手で触ってはいけない
・温度管理が必要 など、様々な性質があります。
これらを把握しておくと、投薬の際にどんな工夫が使えるのかが把握できます。
《飲ませ方のポイント》
お薬をあげたはいいけど、飼い主さんの知らないところで吐き出していた、なんてこともよくあります。お薬を飲ませるときは、飲み込めたかどうかまでしっかり確認しましょう。
投薬の方法はこんなものがあります。
①いつものフード(缶詰やドライフードのふやかし)を団子状にして使う。
食べ慣れているフードに包むと、「薬らしさ」で警戒することが少なくなります。苦いお薬は潰さずそのまま包むのがおすすめ。
②「これは大好き」というフードを常備しておく。
ちょっと特別な時や食欲がなくても食べてくれるフードを見つけておくと、投薬の際に役立ちます。お薬が見えないように、上手に包みましょう。
③投薬用のおやつを活用する。
ポケットタイプといわれる投薬用のおやつは、生キャラメルのように柔らかく、お薬をしっかり包んで隠すことができ、風味も良いものが多くあります。
④つぶして水に溶かし、スポイトなどで与える or 歯茎や上顎に塗る。
潰しても支障のないお薬は、粉にして少量の水に溶き、犬歯(牙の歯)の後ろの伱間に少量ずつ入れて飲ませます。ペーストや練り状のものにお薬を混ぜ込み、上顎や歯茎に塗るようにすると、吐き出そうとしている間に舌が動き、飲み込むことができます。バスタオルなどで体をくるみ、手足が出ないようにするとうまくできますよ!
さて、いかがでしたか? 少しでも皆様のお役に立てれば幸いです!