【春のお出かけその前に】

こんにちは! ユウ動物病院です。

今回は、「春のお出かけその前に 動物病院へ行きましょう。」のお話です。

日中の日差しが暖かい日も増え、春が少しずつ近づいてきています。

動物達とのお出かけ日和が楽しみな今日この頃ですね。

春が来るということは、ワンちゃん猫ちゃんの「予防シーズン」のはじまり。

これまで静かにじっとしていた蚊やノミ・ダニも元気に活動し始めます。

しっかり対策しておかないと、動物だけでなく、飼い主さんも大変な目にあってしまうかもしれません。

① フィラリア

すでに多くの方がご存じかと思います。

フィラリアの正式名称は、「犬糸状虫」といい、犬糸状虫が心臓(右心室や肺動脈)に寄生してさまざまな病態を示すことを「犬糸状虫症・フィラリア症」といいます。

フィラリア症になると、咳が出る・呼吸が苦しくなる・食欲不振・元気がなくなる・お腹が膨れてくる・尿が赤くなる、などの症状が見られるようになり、体内のさまざまなところに異常が見られるようになります。

フィラリア症を治すことは簡単ではありませんが、あらかじめ投薬することで予防できる病気です。蚊の活動が始まるのは桜が咲く頃ですので、春が来たらすぐにお薬をスタートしましょう。

今は、錠剤・チュアブル剤・塗布薬・注射などさまざまなお薬があります。生活スタイルや体調に合わせて選びましょう。

②ノミ・マダニ

ノミやマダニも、春を迎えると活動が活発になります。

ノミやマダニが大量に寄生すると、皮膚炎という見た目の症状だけでなく、貧血をおこす病気になったり、消化管に虫が寄生してしまったり…と動物達にさまざまな病気を引き連れてくる可能性があります。

また、ノミやマダニに寄生した動物達と一緒に暮らす人間にも大きな影響を及ぼします。特に、近年急増しているのが「日本紅斑熱」と「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」です。

これらの病気は、まず発熱や嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。これだけ聞いただけだと2~3日安静に養生すればいいかしら…と思うかもしれませんが、感染発症すると動物も人間も致死率が 30%以上、猫に関しては感染すると半数以上が命を落とすもと言われている恐ろしい病気です。

普段お外に出かける機会のない犬猫さんでも、人間が外に出かけた時の靴の裏にノミダニが潜んでいることもあるので、予防をしっかりおこないましょう。

③狂犬病

狂犬病は、発症するとほぼ全ての動物が命を落とすと言われている危険な病気です。

感染して発症すると、急激な性格の変化や興奮・発熱や倦怠感などが現れ、最終的には全身が麻痺して昏睡に落ち入り、命を落とします。

日本では、狂犬病を予防するために「全ての犬に」ワクチンを接種する義務がある、と法律で定められています。これを怠ると罰金を課せられるほど、飼い主様にとって大切な「義務」です。

現在日本では数十年発生していませんが、海外を訪れた際に現地の犬に噛まれた人が帰国後に発症するなど、日本を離れた国々ではいまだに多くの人々が狂犬病と隣り合わせの暮らしを強いられています。

集合注射以外に、動物病院でも予防接種を受けることができますので、必ず接種しましょう。

体調や疾患により注射ができない場合は、「狂犬病予防接種猶予書」を発行しますので、お住まいの自治体の役場に届出をお願いします。

動物たちに予防を行うことは、共に暮らす飼い主様を守ることにつながります。

大切な家族との楽しい生活のためにも、予防をしっかり行いましょう!