定期的に健康診断を受けよう

こんにちは!ユウ動物病院です。
今回は健康診断のお話です。

犬や猫をはじめ動物たちは、人間の何倍もの速さで歳をとっていきます。体調不良を隠すのが上手で、体調の変化を話すことができません。ほんの数日調子が悪く、ご家族が診察に連れていらっしゃって検査してみると、実はかなり病気が進行している状態だった、という事も少なくありません。

健康診断を定期的に受けることで、病気の早期発見につながります。
当院の秋の健康診断の内容を簡単にご紹介します。

◯身体検査
基本的な検査で、その子をみて(視診)、触ること(触診)で多くの情報を得ることができます。例えば体重を測る、口の中の歯や歯肉を見る、眼や耳、皮膚、四肢の状態などに気になる点はないか、聴診器で心臓や肺に雑音がないか(聴診)、お腹を触って(触診)異常がないか等を確認します。

○血液検査
血液検査は血液成分や内臓の状態を広く知ることができます。
・血球検査(CBC)
血液中の細胞の数、貧血・炎症・感染・ストレス状態など。
・血液生化学検査
臓器が正常に働いているか、体のどこかに異常が生じていないか。
・その他の血液検査
*T4(甲状腺ホルモン)
*電解質(血液中のイオン濃度やバランス)
*NT-pro BNP(心機能が低下した時に放出されるホルモン) 等を調べます。

○レントゲン検査
健診で撮影するのは、胸部と腹部です。骨・胸と腹の臓器の状態を調べます。本来なら写らないものが写っている、逆に写るはずのものが写っていない、正常と比べて臓器の大きさや形、場所が違う、などがわかります。
○超音波検査
超音波検査では、様々な臓器の状態を詳しく調べます。
腹部の臓器(胃腸、肝臓、胆嚢、腎臓、尿管、膀胱、前立腺、卵巣、副腎、膵臓、リンパ節)を順番に探し、大きさや形、構造などに気になる点はないかを見ます。
心臓の超音波検査は、胸の音に雑音がある・咳が出る・呼吸に異常があるなど、気になる症状がある場合に獣医から個別におすすめします。

○尿検査
腎臓や膀胱に関連する病気を見つけやすいです。尿は血液から作られるため、泌尿器以外の病気でも異常が見られることがあります。

この他にも、動物病院で行うことができる検査が沢山あります。動物種や好発種、年齢などによって、必要な検査をご案内しています。

健康診断の一番の目的は、“隠れた病気を早期発見する”ことですが、大事なポイントは、“その子の健康な時の検査結果を知っておく”ことです。それぞれ個体差もあるので、“その子の健康な時の値”を知ることが大事です。

例えば、体調を崩して検査をしたら、肝臓の数値が基準値より少し高かったとします。もし過去に何度か健診を受けており、その時も肝臓の数値が少し高かった場合、元々肝臓の数値が少し高かったな、今回の不調とは関連していないかもしれない、と系統立てて考えることができます。

他にも、体調不良で血液検査を行ったけれど、全て基準範囲内の値だったとします。しかし過去に行った健康診断の時の数値と比べたら基準範囲の上限ギリギリだった場合、今回の体調不良と関連があり、今後数値が悪くなるかもしれない、などと予測することもできます。

1 回だけの数値を見るより、過去との比較をすることで様々な情報を得ることができます。
この健康診断を、若いうちは年に 1 回、シニア期になってからは年 2 回行うことをお勧めします。動物たちの 1 年は人間の 4~6 倍とも言われていますので、定期的に受診しましょう。