猫ちゃんのおしっこ注意報発令中!

こんにちは! ユウ動物病院です。
今日は、猫のおしっこに関するお話です。それが、猫下部尿路疾患(FLUTD)。簡単にいうと、尿にまつわる泌尿器系のトラブルのこと。
膀胱から尿道までを「下部尿路」と呼びますが、寒くなるとこの疾患がとても多くなります。

●下部尿路疾患の症状は?
・トイレに頻繁に行くのに尿が出ない
・ずっとトイレで排尿姿勢をしている
・排尿時に痛そうに鳴く
・陰部・下腹を舐めてばかりいる
・尿に血が混ざる など、症状は様々です。

●下部尿路疾患には具体的にどんな病気(があるの?

特に多いのは・尿石症・細菌性膀胱炎・特発性膀胱炎 の3つ。

①尿石症
尿路のどこかに「結石」や石の材料となる「結晶」ができてしまう病気です。
尿は、尿管や尿道といった細い管を通って排出されますが、ここで結石や結晶が詰まると尿を外に出すことができません。特に猫の男の子は、尿道が曲がっている・尿道が女の子よりも細いなどの特徴から、重症化しやすい傾向があります。また、長時間排尿できないために炎症が起きて血尿になったり、腎臓に負荷がかかって腎不全を起こすこともあります。
猫は寒さに弱く、トイレに行くのが億劫になることも。活動量が減ってトイレの回数も減り、体の中に尿が長くとどまることが多くなってしまいます。尿の PH が酸性に傾きすぎるとシュウ酸カルシウム、アルカリ性に傾きすぎるとストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)という結石ができやすくなります。尿の PH は本来適切に体内で調整されますが、本来は避けるべき食べ物を摂取し続けることで乱れることが多くあります。

②細菌性膀胱炎
細菌が原因となって起こる膀胱炎のこと。多くが便の中の菌が原因となります。尿道から膀胱に細菌が侵入することで起こり、陰部やお尻の周りを舐め続けることで発生します。

③特発性膀胱炎
原因がわからないのに、膀胱炎の症状を呈するのが特発性膀胱炎です。ストレスや環境など、様々な原因で起こります。結石や結晶がない・細菌の感染がないなど、原因がはっきりしないのに起きてしまう膀胱炎のことを指します。下部尿路疾患の半分以上が特発性膀胱炎というデータもあります。

●下部尿路疾患を予防するには??

・しっかり水分をとる!
常時新鮮な水が飲めるようにしましょう。落ち着ける場所に水飲み場を作ることがポイント。ステンレスの食器より陶器の食器がおすすめ。お風呂場で水を飲むのが好きな猫さんは動く水が好きなので、循環システムのある水飲み場も Good。

・ウェットフードを活用する!
水分摂取は下部尿路疾患を予防する上でとても大切。ドライフードをふやかし」たり、ウェットフード(缶やパウチ)を活用することで摂取できる水分を増やすことができます。

・トイレを清潔に!
猫さんは、トイレのほんの少しの汚れだけでも排泄をためらいます。いつでもきれいに、快適な環境に整えてあげましょう。トイレは猫さんが全身隠れることができる深さと長さのある大きさに。1頭あたり2つは用意してあげること、猫さんのお好みの砂を選びましょう。

・正しい食事管理
尿の PH が適切な範囲にあれば、結石や結晶ができにくくなり、快適に排尿ができます。各々の猫さんに合ったフードを選ぶこと・定期的な尿検査も大切です。

・ストレスを減らすこと
来客・大きな音・お留守番など、猫さんが苦手なことをできるだけ避けてあげましょう。ストレスが減ることは、健康寿命を伸ばすことにもつながります。

気になることがあれば、かかりつけの先生にご相談ください。